香川県内企業・財団の取組

おいしさだけじゃない環境にも配慮した海老ブランドを育てる(株式会社藪水産)

自信があるから立ち上げた海老専門ブランド

寿司ネタをはじめとする水産物加工を手掛ける株式会社藪水産。かねてより、海老の目利きと海老の配送技術に自信を持っており、2020年に海老専門のブランド「海老乃家」を立ち上げた。実店舗を構えず、ECサイトを通じての直販をメインとして、すでに全国にファンが広がっている。

しかし、要となるECサイトでは機能面や価格面の訴求が前面に出すぎており、「作り手の想いや、大切にしてきた環境への配慮が伝わっていない」と代表取締役の船田裕亮氏は感じていた。コロナ禍により非接触型の取引が増えている中、あらためて「海老乃家」をブランディングするため、ECサイトのリニューアルに取り組むことになった。

サイトのリニューアルで明確にメッセージを発信

今回のリニューアルに当たり、「天然海老」と「環境への配慮」の2つをブランドの表現ポイントとした。天然海老については、産地や味など海老そのものの情報のほか、海老を使ったレシピを多数公開。また、普段の暮らしを同社の商品が彩る動画を制作した。船田氏が自ら制作に携わった力作である。環境への配慮については、人気の海老オイルや海老ダシが、一般的には廃棄される海老の頭や殻から作られていることを強調した。

そのほか配送にはFSC認証のダンボールを使用していることや、バイオマス配合原料を使用した緩衝材を採用するなど、一貫した環境保全への姿勢を鮮明にすることができた。

販路の拡大と同時に顧客との結びつきを強化

「言葉を選び、撮影を工夫して上質さを追求した。サイトを通じて当社の想いに共感してもらえるのではないか」と、サイトに手応えを感じている船田氏。そもそも海老には、長寿の縁起物としてのイメージがあることから、贈答用としての利用増大に期待をしている。

また、現在は異業種の大手企業とコラボした商品開発を進めており、従来とは違うシーンでの販路拡大を狙う。そのほか、既存顧客との結びつきを強めるためのコミュニティづくりにも力を入れている同社。「海老乃家の海老が一番好き」と言われるようなブランドとして成長していきそうだ。

アドバイスと情報提供も大きな助けになった

資金面での支援があったおかげで、これまでにない新しい取り組みにも、二の足を踏むことなく挑戦できました。また、事業を進める上で、的確なアドバイスやタイムリーな情報をもらえたことも大きな助けになりました。このご縁を大切にしたいと思います。今後、もし行政などと一緒に地域社会に貢献できる取り組みがあれば、ぜひ協力させていただきたいです。

代表取締役 船田 裕亮 氏

株式会社藪水産

会社概要

所在地高松市庵治町6393-45(工場)
電話087-871-1910
URL会  社:https://www.yabusuisan.co.jp/
海老乃家:https://ebino-ya.jp/