香川県内の元気な企業を訪問し、その企業が発展してきた過程と躍進を続ける今、そして未来への指針についてお聞きする「かがわ発!元気創出企業」。今回は、さぬき市にある「讃光工業株式会社」を訪ねました。
軽いものから重いものまで、どんなものでも迅速かつ正確に重さをはかることができる計量機。1948年創業の讃光工業株式会社は、穀物をはかる農業用はかりをはじめ、さまざまな産業用計量機を手掛けている。自社の開発力を軸に「最新鋭のはかり」を追求し、「ハカリシレナイ」未来に挑戦し続けている同社取締役社長の六車太士さんに、話を伺った。


あらゆる分野で欠かせない「はかり」
時代のニーズに合わせて成長
計量機メーカーとして70年以上の歴史を誇る讃光工業株式会社。創業当時の主力商品は棒はかり・台秤などの一般用はかりで、四国を中心に、中国、九州へと販路を広げていった。棒はかりは、使い込むほど精度が落ち、行商人などは収益にも影響するため、買い替える人が多く、販売は安定していた。
「会社の歴史の中で、大きな転機が二つあった」と話すのは、取締役社長の六車さん。一つ目は、コンクリートを作るために必要な砂や砂利を計る計量器「バッチャースケール」の需要拡大だ。昭和38年ごろに法律で生コンクリートの配合が容量から重量に規制されたことで、問い合わせが殺到。高度経済成長の時期と重なったこともあり、売上が一気に増えた。
もう一つは、農業用はかりの製造を始めたこと。カントリーエレベータ(※)では、大量の穀物を集荷、乾燥、検査、出荷するまでの各工程で計量機が使われているが、地元のカントリーエレベータの計量器が不具合で検査が通らないから助けてほしいと依頼を受け、社員が昼夜を徹してテストを繰り返し、検査に合格する計量機を完成させた。
その後も、電気重量センサーの登場や自動化が進み、計量機は、今やわずかな振動や風で重量表示が左右されるほどの精密さが求められる時代に。「『計量』はあらゆる分野で欠かせないもの。同社では計量から供給までより高速かつ丁寧な仕組みを追求している」と六車さん。今まで培った技術と、社員のものづくりに対する情熱で、時代のニーズに合わせたより高性能なはかりを作り続けている。
※収穫した穀物の乾燥から貯蔵、出荷までを一貫して行う倉庫


期待の新製品「4軸オーーーガ」
さまざまな分野への展開も視野に
同社の売上の約半分を支えている農業用はかりは、全国のカントリーエレベータで活躍している。収穫期に集中して使用することが多い農業用はかりは、メンテナンスが重要。同社は東京事務所のほか、全国各地の協力会社と連携してサービスステーション(協力店)を設け、トラブルの際はいち早く駆け付け、きめ細かく対応している。
これまで培ってきた計量技術を生かし、特殊なはかりの製造にも力を入れている。その中でも近年開発した期待の新製品が「4軸オーーーガ」だ。らせん状のスクリューの回転によって粉体などを一定量ずつ充てん、計量する機能を持つ装置で、一般的に普及している製品は1軸のものに対し、4軸タイプは同社のオリジナル。特許も取得した。「スクリューを四つにすることで、より速く、均等に充てんすることができる」と六車さん。スクリュー部分の加工については、当財団の「新分野等チャレンジ支援事業」を活用し、加工時間を36時間から12時間に短縮することに成功。品質を担保しながら、納期短縮、人件費削減にもつながった。
そのパワフルな性能から「充てん機界の4WD」とうたわれている4軸オーーーガ。今はリチウムイオン電池の原材料を容器の中に詰める充てん装置として使われているが、衛生的な環境を保ちやすいことから、「今後は食品分野への応用も考えている。異物混入の軽減など、各分野のニーズにも対応していきたい」と、海外進出も始めた新製品に期待を寄せている。


独自のユニークな取り組みで
地元に愛される企業へ

近年、同社では福利厚生や地域貢献などで、ユニークな活動を行っている。福利厚生では、フレックス制の導入や、有休以外に年度内に5日連続で休みがとれる特別休暇を設けるなど、有休を積極的に取得できる環境を整えた。その結果、有休が取りやすい雰囲気に変化し、有休取得率が80%以上に上昇した。また、さぬき市在住の社員には、特別手当として毎年10万円を支給するなど、独自の制度も実施。一括で支給されるとあって、さぬき市内に引っ越してくる社員も増えており、人口減少対策にも一役買っている。
「創業者から3代目までの歴代社長は地元で顔が広く、人望も厚かった。私も4代目として見習いたい」と六車さんは、地域貢献にも積極的。社員有志と地元高校生による津田の松原の清掃活動や、会社の駐車場でキッチンカーイベントを開催するなど、地元の人との交流を深めている。
今年1月には、ユニークなPRプロジェクト『計量戦隊ハカルンジャー』を発表した。キャラクターのモチーフは同社で活躍する計量士だ。計量士とは、計量器による計量測定や計量器の精度管理、現場の技術指導などを行う国家資格の計量の専門家で、このキャラクターを軸にコンテンツを作り込み、一般的に馴染みのない『計量士』の地位向上を目指している。
「はかりの分野では認知されているが、地域ではまだまだ知らない人も多い。まずは地域ナンバーワン、将来的には世界ナンバーワンの企業を目指したい」と六車さん。さぬき市から世界へ。「ハカリシレナイ」夢を描いている。



讃光工業株式会社
会社概要
| 所在地 | さぬき市長尾西877番地 |
|---|---|
| 電話 | 0879-52-2591 |
| URL | https://www.sanko-scl.co.jp/ |