香川県内企業・財団の取組

オリーブ果実の活用法に新しい風!「他にないもの」を息長く追求したい(株式会社テルシタ)

新かがわ中小企業応援ファンド等事業を活用

国産オリーブ栽培発祥の地である小豆島で独自性を模索

今から約100年前、我が国で初めてオリーブの栽培に成功した地である小豆島は、オリーブの島として全国的に知られている。

(株)テルシタは元々島内で醤油・佃煮原材料の卸業を営んできたが、数年前からオリーブを使った加工食品の製造販売に乗り出した。

オリーブ関連事業では後発組であった同社は、何か目先の違う商品開発はできないかと模索していたところ、取引先の食品事業者から「最近オリーブが注目されている。オリーブのシーズニング(調味料)があれば高い需要があるのでは」とアドバイスされる。そこで同社はそれを実現するためのステップとして、小豆島産オリーブ果実の「粉末化」技術を確立しようと思い立った。

オリーブの果実はオイルの搾油用が大部分で、果実そのものの加工と言えば一般的に新漬けぐらい。油分の多い実を粉砕した場合、そのままではペースト状になってしまうため、お菓子やパスタなどに練り込むには適さず、これまで「オリーブ粉末」と言えば、「葉」を用いたものばかりだった。しかし、同社の代表取締役社長の照下修平さんは、果実をまるごと粉末化することができれば、ポリフェノールや食物繊維などの栄養成分が豊富な、より機能性の高い食材として売り出せるのではないかと考えた。

試行錯誤の過程を通じて商品を一緒に育てていく喜びを知った

粉末化には、渋抜きした果実を乾燥させ、糖の一種を加えて粉砕する。試しに自社の乾燥機で、果実を乾燥させて粉砕してみたが、やはり黒いペースト状になってしまった。

「糖を加えることで油っぽさは除けることはわかっていましたが、どれぐらいの細かさにまで粉砕するのか、また糖をどれだけ混ぜるかなど全く見当がつかず、課題山積でスタートしました」と照下さんは当時を振り返る。

特に苦労したのは種の粉砕だった。予想以上に硬く、機械はすぐに詰まり、電源も落ちてしまった。機械メーカーに協力してもらいながら刃に改良を重ね、ようやくふるいにかけやすいサイズまで粉砕することに成功した。

照下さんは「長年、卸問屋を営んできたため、メーカーとは違い、商品開発の勝手がわからず、大変に苦労しました。しかし、今回の開発を通じて、島外から多方面の協力やアドバイスを受け、商品を一緒に育てていく喜びを知りました。特許申請などの知識も得られ、大いに刺激になりましたね」と手応えを感じていた。

粉砕機
乾燥させたオリーブの実
電気乾燥機

確立した技術を礎に次の段階へ

完成したオリーブ果実の粉末は、サラッと軽くさわやかな甘みが特徴。今回は風味を活かすためにアルカリ液で実のアクを抜いているが、独特の渋みを残したままの加工も可能だという。シーズニングはもちろんパスタやお菓子、パン、惣菜などに広く使えるとあって製菓メーカーなどからも注目されている。

一方で、今後の課題は賞味期限と原料の確保。常温で保存できるものの、賞味期限が半年とやや短い。さらに、年によってオリーブの収穫量が安定しないうえに、最近ではその機能性が注目されて急激に需要が高まり、果実の確保が難しい状況となっている。

「価格、賞味期限、安定した生産体制の確立など課題はまだまだあります。そのなかで現在、オリーブオイルを搾った後の搾りカス「ポマス」の粉末化に取り組んでいます。オリーブポマスには、オリーブ特有のポリフェノールが豊富で人体にも有益な成分が含まれているといわれています。こちらも早く粉末化できれば供給量が増え、さらに利用が広がるでしょう」と照下さんの挑戦は続く。「他の県産品とのコラボも大歓迎です。私たちの技術を活かして、新しい香川のヒット商品が生まれたら最高です」と展望を語ってくれた。

新商品にかける熱き想い

機械の開発や乾燥・粉砕・ブレンドの流れが確立できたのは、助成があったおかげです。品質検査などにも財団の協力を得られ、結果を出さなければ!という私たちのモチベーションにつながるとともに、製品そのものの信頼度も高まったと思います

代表取締役社長 照下 修平氏

株式会社テルシタ

会社概要

所在地 小豆郡小豆島町馬木甲73
電話 0879-82-1271
URL http://terushita.net
従業員数 11名
資本金 20,000千円
採択年度 平成26年度