香川県内企業・財団の取組

投入するだけでタマネギの葉と根が自動で切断!!農家待望の[オニオン・タッピングマシン]が誕生(株式会社ニシザワ)

新かがわ中小企業応援ファンド等事業を活用

高齢化と担い手不足の農家で切望されてきた省力化装置の開発

タマネギは、北海道をはじめ全国各地で年間約115万トンが生産されている。

出荷にあたっては、収穫後に葉切り・根切りという「調整作業」が必要であるが、北海道などの一部の大規模事業者を除いて機械化は進んでおらず、すべて手作業で行われている。

高齢化が進む農家にとってはこれが大きな負担となっており、作業の省力化や効率化を望む声が高まっていた。

「ひとつずつ葉と根を切り揃える作業は本当に大変です。何とか力になりたいと思いました」と明治12年の創業以来、130年にわたりさまざまな農機具や農業機械を開発し、農家とともに歩んできた(株)ニシザワの西澤社長は実状を憂慮していた。

こうした中、同社では県農業試験場などと共同で、平成22年から3年間、農林水産省の助成事業を利用して、タマネギの葉と根を全自動で切断できる調整装置の試作に取り組んだ。

しかし、実用化には切断精度やコスト面、装置の大きさなどの課題が残った。そこで、ファンド事業を活用して試作機に改良を加え、今回[オニオン・タッピングマシン]を完成させた。

この装置は、収穫後未乾燥のタマネギを特殊な螺旋ブラシによって整列させながら送り出し、最初に「葉」、次に「根」をカットする。

手作業に比べると作業効率は4倍から10倍アップ、切断成功率は94%と精度も高い。

▲[オニオン・タッピングマシン]
タマネギには、乾燥と青切りの2種類があり、今回は、収穫したての青切りタマネギ用の装置を開発。独特の螺旋状のブラシでタマネギを送り出し、葉と根を切断する。傷はなく、切断成功率は94%。タマネギの特色に合わせて刃の高さ等を調整する機能をつけている
価格119万7,000円

螺旋状ロールブラシでタマネギを180度回転させて切断を均一化

当初の試作機では、切断精度のバラツキが最大の課題であった。

「タマネギは、産地や品種によって大きさ、形、重さなどが異なります。どんなタマネギでも均一に切断できるようにすることは、非常に難しい課題でしたが、何とか成功させたいと思いました」(西澤社長)。

西澤社長は、県農業試験場の指導を受けながら、何度も設計図を修正。作成した試作品・改良品は実に10台以上に及んだ。

そのような中、浮かんだのが、投入部の螺旋状ロールブラシを改良して内部でタマネギを上下180度回転させる方法。これにより葉や根を引っ張りながら円板ナイフで均一に切断することが可能になった。

また、小型化・低コスト化を図り、軽トラックに搭載できるサイズとなった。

「実際にタマネギ農家にモニターとなってもらい、直接生産現場の意見を取り入れながら改良を進めたことで、期待に応えられる水準になったと思います」と西澤社長。

▲各種製品に使われる螺旋状のブラシ

[オニオン・タッピングマシン]で国産タマネギの生産拡大へ

今回実用化した[オニオン・タッピングマシン]は1レーン式で、毎時約3,500個の処理が可能。今後は、毎時約5,600個の処理能力を持つ2レーン式装置の開発を目指している。

また、「繰上げコンベア」や「選別コンベア」を付帯することで、より機能を充実させ、農家の作業軽減につなげたいと考えている。

「オニオン・タッピングマシンの導入で劇的に作業が軽減されます。これからは米の裏作や休耕地を活用するなどして、国産タマネギの生産拡大につなげて欲しいですね」と西澤社長は期待を寄せている。

常に農家に寄り添い、農家の声を製品づくりに反映してきた(株)ニシザワ。地域の農業が抱えるさまざまな課題を解決し、持続的な発展につなげるためにも、同社の役割は今後もますます大きくなるであろう。

▲素材の切断から組み立てまで、自社で一貫して行い製品に仕上る
▲CADで製品をひとつずつ設計していく

新商品にかける熱き想い

野菜の選別や洗浄用の機械製造を100年以上続けてきましたが、昔から、できないことはないという発想でいろいろな製品を開発してきました。今後も(株)ニシザワだからできるオンリーワンの製品、新しくて便利な製品を作っていきたいと思います。

代表取締役 西澤 准一氏

株式会社ニシザワ

会社概要

所在地 仲多度郡多度津町北鴨3-1-50
電話 0877-33-2438
URL http://www.nishizawanet.jp
従業員数 20名
資本金 20,000千円
採択年度 平成25年度